ほんわか

つらい日々を越えて、いま静かに暮らしています

夫を拒んだ夜|舌打ちとビール缶の音に怯えていた私

2026-07-17

以前、「夜になるのが怖かった」という記事を書きました。
今日はその中でも、忘れられない「あの夜」のことを書こうと思います。
思い出すだけで胸がざわつく記憶ですが、同じ思いをしている誰かに届くことを願って。


【目次】

  1. 拒んだだけで、あの態度
  2. 階下から聞こえるビール缶の音
  3. 恋していた頃とは、まるで違う手
  4. 「愛されていない」と体が知っていた
  5. 拒む自由すら、なかった
  6. 背を向けて眠るあいつの隣で
  7. いま同じ夜を過ごしているあなたへ

1. 拒んだだけで、あの態度

あの夜のことは、今もはっきり覚えています。

私が拒むと、あいつは「チェッ」と舌打ちをしました。
そしてベッドのマットレスを足蹴りにして、一階へ降りていったのです。

私はただ、嫌だと伝えただけ。
それだけのことで、部屋の空気が一変しました。


2. 階下から聞こえるビール缶の音

降りていった先で、あいつはビールを飲み始めました。

飲んでは「フウー」と、怒りのこもったため息をつく。
口に含んで、飲む。その繰り返し。

そのたびに、ビール缶をテーブルに置く音が響きました。
ガン! カン!

あれはきっと、聞こえるように音を立てていたのだと思います。
「俺は怒っているぞ」と、音で私に伝えるために。

二階のベッドの中で、私はその音を聞きながら、体を固くしていました。


3. 恋していた頃とは、まるで違う手

同じベッドで寝ていたので、私が眠ろうとすると、あいつは手を出してきます。
いきなり、私の下着の中へ。

もう胸には触れません。
恋していた頃は、ちゃんと優しく触れてくれたのに。

今は自分がしたいときに、したいことだけをする。
私の気持ちも、体の準備も、まったく関係ない。

そこに愛情はありませんでした。
あるのは、自分の欲だけ。


4. 「愛されていない」と体が知っていた

愛されていない体は、正直です。

心が受け入れていないのだから、体だって受け入れる準備なんてできません。
それなのに、あいつは無理に進めようとする。

できないとわかると、今度は別の方法で無理やり進めようとしてくる。
私の「嫌だ」は、あいつには聞こえていないようでした。

あの夜、私はそれを拒んだのです。
はっきりと、拒みました。


5. 拒む自由すら、なかった

拒んだ結果が、あの舌打ちと、マットレスへの足蹴りと、階下のビール缶の音でした。

妻には、拒む自由すらないのか。
自分の体のことなのに、自分で決めることが許されないのか。

当時の私は、そんなふうに言葉にすることもできず、ただ「また機嫌を損ねてしまった」と、自分を責めていました。

今ならわかります。
悪いのは、拒んだ私ではありません。
拒まれたくらいで怒りをまき散らす、あいつの方でした。


6. 背を向けて眠るあいつの隣で

ビールを飲んで、何をどう消化したのかは知りません。

戻ってきたあいつは、プンプン怒ったまま、私に背を向けて寝ました。

謝るでもなく、話し合うでもなく、ただ背中で怒りを伝えながら。

私はその背中の隣で、眠れない夜を過ごしました。
明日はどんな機嫌なんだろう。また何か言われるんだろうか。
そんなことを考えながら、朝を待ちました。

夫婦のベッドが、私にとっては一番安らげない場所でした。


7. いま同じ夜を過ごしているあなたへ

もし今、これを読んでいるあなたが、同じような夜を過ごしているなら、伝えたいことがあります。

拒んでいいんです。

夫婦であっても、あなたの体はあなたのものです。
気持ちのない行為を受け入れる義務は、ありません。

拒んだあなたに舌打ちをしたり、物に当たったり、無言の怒りで圧をかけてくる——
それは、あなたが悪いのではありません。相手の問題です。

私は長い間、「私が我慢すれば丸く収まる」と思って生きてきました。
でも、我慢で守れたものは、何もありませんでした。
すり減っていったのは、私の心だけでした。

一人で抱えきれないときは、「DV相談ナビ」(#8008)に電話すれば、相談窓口につないでもらえます。
夫婦間の性的な強要も、れっきとした相談していいことです。

あなたの「嫌だ」には、ちゃんと意味があります。
どうか、その声を大切にしてください。


🌷 あとがき

あのビール缶の音は、今でも耳に残っています。
でも、もうあの音に怯える夜はありません。

静かな夜を、静かなまま過ごせること。
それがどれほどありがたいことか、今は毎晩感じています。


眠れない夜に、香りの力を借りるのもひとつの方法です。

← 記事一覧にもどる