夜になるのが怖かった|夫からの性的強要と、壊れていった私の心
これは、ずっと誰にも言えなかったことです。
今でも思い出すと胸が苦しくなる。でも、同じ思いをしている誰かに届けばと思って、書くことにしました。
【目次】
- 夜になるのが怖かった
- いつでも、どこでも、求めてくる
- 断ると、怒鳴られた
- 「私でなくてもいい」と思っていた
- 抵抗する元気すら、もうなかった
- 神様が罰を与えたのだと思った
- これを読んでいるあなたへ
1. 夜になるのが怖かった
夜になるのが、怖かった。
子どもたちがいる時間は、まだよかった。子どもがそこにいるだけで、夫は少し人が変わったようになる。でも、子どもが部屋へ行ってしまうと、空気が変わるんです。
子どもが居なくなる時間が、怖かった。
その時間が来るたびに、胸がざわついて、何かをしていないとおかしくなりそうで。
お皿を洗い続けていました。洗い終わっても、また拭いて。
でも、そんなことは意味がなかった。
2. いつでも、どこでも、求めてくる
夫が私の身体を求めてくるのは、夜だけではありませんでした。
キッチンでお皿を洗っていても。
洗濯物を干そうとしていても。
歯磨きをしていても。
朝も夜も昼も、関係ない。
家事の途中でも、後ろから来る。
「今じゃないから」と言いたいのに、言葉が出なくなっていました。
そんな日々が、長く続きました。
それが「おかしいこと」だと気づくのにも、ずいぶん時間がかかりました。
3. 断ると、怒鳴られた
断ったことがあります。
疲れていたから。気持ちがなかったから。それだけの理由で。
でも、その瞬間に夫の機嫌が変わる。
テーブルを叩く音。
食器が投げられる音。
怒鳴り声。
私はただ「今は無理」と言っただけなのに。
断っただけなのに、あの反応が待っていた。
それを何度も経験すると、「断ってはいけない」と体が覚えてしまうんです。
頭で考えるより先に、体が諦めていた。
4. 「私でなくてもいい」と思っていた
夫にとって、私は「女性であればいい存在」だったのだと思います。
愛されているとか、大切にされているとか、そういう感覚はまったくなかった。
精子を出したいだけ。
私でなくてもいいんです。女性であればいい。
そう気づいた時、ふっと何かが抜けた気がしました。
悲しいというより、ただ空っぽになる感じ。
「私はこの人にとって何なんだろう」
その問いに、答えを出すことすら、やめていました。
5. 抵抗する元気すら、もうなかった
最初は、嫌だと思っていました。
でも段々と、抵抗する元気がなくなっていくんです。
嫌だと思う気持ちより、怒られることへの恐怖の方が大きくなっていく。
抵抗すると、もっと怖いことが起きる。
だったら、黙って耐えた方が早く終わる。
そうやって、心が少しずつ壊れていっていたのだと、今は分かります。
あの頃の私は、それが「壊れている」とも気づかなかった。
ただ毎日をこなしていくことで精一杯でした。
夜、子どもが眠ったあと、静かに泣いていたことを覚えています。
声を出せないように、口を押さえながら。
6. 神様が罰を与えたのだと思った
夫に癌が見つかりました。
その知らせを聞いた時、私の中に浮かんだのは、複雑な感情でした。
「神様が、私をいじめたから罰を与えたのだ」と思いました。
今思えば、そんなことを思ってはいけないのかもしれない。
でも、あの時の私には、そう感じるしかなかった。
長い間、理不尽に傷つけられてきた心が、そこにしか「意味」を見つけられなかったんだと思います。
それほど、追い詰められていた。
その後、夫の闘病が始まり、看病をして、看取りました。
夫婦としての日々は、それで終わりを迎えました。
7. これを読んでいるあなたへ
もしこの文章を読んで、「自分のことかと思った」と感じた方がいたなら、伝えたいことがあります。
あなたは、悪くない。
断る権利は、あなたにあります。
夫婦であっても、パートナーであっても、自分の身体は自分のものです。
それを力で奪うこと、恐怖で従わせることは、愛情ではありません。
「これが普通なのかな」と思いながら耐えてきた日々は、普通ではなかった。
あなたがおかしいのではなく、その状況がおかしかった。
一人で抱えなくていいです。
話せる誰かがいなければ、相談窓口もあります。
「DV相談ナビ」に電話(#8008)するだけでも、繋いでもらえます。
私のように、時間が経ってから気づく人もいる。
それでも遅くはない。
あなたの心は、ずっとSOSを出していたはずです。
どうか、あなた自身の声を、大切にしてあげてください。
🌷 あとがき
あの頃の自分に、今の言葉で手紙を書くとしたら——
「あなたは何も悪くないよ」
それだけ伝えたいです。
怖かった夜は、もう終わりました。
今は、静かに、自分のペースで生きています。
心が疲れている夜に、香りがそっと助けてくれることがあります。
お守りのように、そっと身につけられるものがあると、心が少し落ち着くことがあります。